SkypeがiPhoneで使えるようになった。早速ダウンロードしてみる。お金を払っていないので、フリーダイアルの1800から始まる番号にしかかけられないが、試してみるとそれなりに明瞭である。PCでかけるときよりクリアな感じ。仕事の電話会議はほとんど1800なので使える。
しかし、携帯電話でスカイプを使えようにするって、携帯のキャリアーにとっては自殺行為ではないのだろうか。自社の電話機を使って、利用者がインターネットを使って無料で電話をする。これってつまりキャリアーにとっては自前のネットワークをただで貸し出していることなの?と思っていたら、やっぱりそのプロテクトはあって、iPhoneの場合はWifi接続でしたSkype通話はできない(つまりAT&Tの携帯電話回線で接続しているときは使えない)。そりゃそうだよな。それにしたって電話回線を使っての通話時間が減ることには変わらず、キャリアーにとっては痛い問題なのかもしれない。例えば月額最低料金のプランに入り、会話のほとんどはスカイプを使うということも今後はできてしまう(スカイプの有料通話用のクレジットを購入すればどのくらいの金額になるのかは分からないけど)。
きっとVoIPの問題は、携帯キャリーにとっては避けては通れない問題だと思う。PC上ではただで会話ができるのだから、それが便利になれば、単純に考えれば固定電話や国際電話の利用者が減ってPC通話が増えるはず。MSNなどのこうしたサービスは10年くらい前からあって、僕も以前は使っていたが、基本的にはユーザーインターフェースというか利便性という意味ではまったく進歩していない。結局PC上で相手と会話するのは面倒である。でもこれがいつかは便利になって、携帯キャリアーを脅かすようになるだろうから、逆に今のうちに手をつないでおこうというのが、今回携帯キャリアー各社がスカイプに対してとっている戦略なのかもしれない。
スカイプはeBayが4年前に$3.1 billion (約3100億円)で買収し、しかしインターネットオークションというeBayの本業とのシナジーが見出せず、2007年には$1.85 Billionまで減損されていた。数日前のFinancial Timesの記事
"Ebay buys time after Skype's bad connection"参照。
ここにきてiPhoneやBlackberry用のアプリケーションがリリースされているからかどうかは知らないが、また評価が上がってきているらしく、来年にはIPOをするなどと強気の発表をEBayが最近している。Financial Timesによれば、全世界で利用者は4億人以上いるらしい(利用者数だけでみれば世界一の電話会社らしい)。しかしそのなかには僕みたいにPCにインストールしたっきり実際にはまったく使っていない会員も多いと思われ、実際の利用者はかなり少ないだろう。2008年の売り上げ550百万ドル(約550億円)。全会員で数割ると一人あたり年間たったの200円足らずの売り上げにしかなっていない。今後スマートフォンでの利用が増えて、有料サービスを使う人がすこしでも増えれば売り上げは売り上げの伸びる余地は大きいから、企業価値があがっているというのも納得ができる。
アメリカにいる友人にはスカイプを使って国(日本、オーストラリア、イギリスなど)の家族とPC上で話をしたり、カメラをつかって子供の映像つきでチャットをしているが、僕らは日本の家族のPC環境が整っていないのでやっていない。携帯や家の固定電話をつかっての国際電話もかなりやすいので、スカイプを使ってまでPC上で会話をするまではなかった。でも携帯からスカイプが使えるようになると、有料のクレジットをつかってでも使ってみようという僕みたいな人が増えるだろう。会員の25%の一億人が10ドル年間で使ったらそれだけで今の売り上げが三倍になる。
ところで、facebookみたいにスカイプ上で友人の連絡先の探し方がよく分からないのだけど、知っている人いたら教えてください。本人から直接スカイプ名前を入手するしかないんだろうか。