天気の良く比較的暖かい日曜日だった。NYに本格的な冬が来る前に、秋が最後の悪あがきをしていうようだった。
ゴルフに誘われていたが、腰がややまだ不安なので断り、娘とジョギングしたり、ひさびさに自転車にも乗った。僕らはNYにきてずっとマンハッタンの東側、Queensという地区にあるForest Hillsという町にすんでいる。フォレストヒルズといえば、テニスが好きな人ならば昔全米オープンの会場だったテニスクラブがある町として知っているかもしれないが、僕らはここがマンハッタンから電車一本30くらいの便利さで、商店街を少し離れると閑静な住宅街が続く落ち着いたところが気に入っている。さらに20分くらい歩くと、Forest Parkという巨大な森林がある公園もある(したがってCentral Parkまで行く必要もない)。セントラルパークに比べるとぜんぜんすいていて気持ちも良い。もっぱら僕のジョギングや自転車のコースになっている。
紅葉があまりにもきれいなので、しばらく使ってなかったNikonの一眼レフのカメラをもって散策してみた。
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Autumn leaves 2008
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ここまではフォレストヒルズガーデンという住宅街。その先のフォレストパークにも行ってみる。
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歩いているだけで、その綺麗さに息を呑む。あちこちで同じように声を上げている人たちが多くいた。
フォレストヒルズといてば、東京で言えば都心から外れた三鷹あたりの感覚か。それでも緑の量はこちらの方がはるかに多いと思う。NY市のブルームバーグ市長は、NYをEco friendlyな町にするために、自転車専用のレーンをたくさん作ったり、植林を積極的にしたり、極めつけはNY市に一万台以上あるタクシー(いわゆるイエローキャブ)を2012年までにすべてハイブリッドカーにするとぶちまけた。実際にハイブリッドカーのキャブは増え始めてはいるけど、すべてを強制的に変えるのはタクシー業界から抵抗が強く苦戦しているようである。がんばって欲しい。彼は2期8年までしか許されていない市長の座を、ルールまで変えてまでして三選を狙っているが、彼がこれまでやってきたことを考えると認めてもよいのではないかと思う。
たった今オバマ氏の勝利宣言スピーチを聞いた。「アメリカの可能性や平等の精神に、少しでも希望が持てない人がいるならば、"Tonight is your answer"」と彼は冒頭にいった。こうして黒人の大統領を選んだアメリカ国民の勇気・パワー・平等の精神を称えた言葉だと思う。
テレビで見ていると涙を流している人も多い。オバマの勝利宣言も、マケインの敗北宣言も、心が打たれるものだった。黒人の大統領誕生。歴史的な瞬間だと思う(言葉にするのは簡単だけどものすごいことが今この国にはおきているということを感じる)。4年前は開票がこじれた上に、最後は絶望感すら漂ったブッシュの勝利だった。
東海岸時間ですでに夜中の1時をまわったところで僕は家のテレビで見ているが、今もマンハッタンのあちこちでは夜中まで人が集まり多くの人がこの歴史的な夜を祝っているらしい。DCでもシカゴでもアメリカ中の町でこのcelebrationが一晩中続く。これは別に選挙を運営した人たちの打ち上げとか、民主党員だけのものではない。普通の人がこころから喜んでいるのことに驚く。例えは悪いかもしれないが、独裁政治が終わったとか、戦争が終わった時に国民が喜んでいる、そんな感じ。大統領選挙というのはアメリカ人にとってそれくらい大事なものだということか。
CNNの選挙速報によると、選挙人の年齢層が若いほどオバマの投票が多かった(マケインの支持率が半分を超えているのは60歳以上の年齢層だけらしい)。経済、金融、タックス、医療、社会保障、戦争等等、この国が抱える問題は山積みであり、先は見えない。このままでは、間違いなくアメリカは駄目になると世界中のだれもが思っている。世界一の大国だと思っているのはアメリカ人だけ。しかし。
ここでアメリカでの黒人の歴史を軽々しく語ることはできないけど、たった30-40年前までは白人と同じ学校にすら通うことが出来なかった人種から大統領を選ぶことができるこの国には、まだ「わずかながら」希望がもてるのではないかと思わせる。この大統領なら何かが変わるかもしれない。この大統領を選んだ若い勇気のある国民がいるのだから、まだ可能性はある。
"Tonight is the answer"かどうかはまだわからないが、"Tonight may provide some hope" といったところか。共和党が勝って"Tonight is the end"にならなくて良かった。
会計事務所でM&Aサービスをやっている者としては、競合他社(M&Aコンサルティングファームや他の会計事務所)ではできない、自分のところの事務所ならではの詳細なanalysisに基づいたサービスを提供することを常に心がけている。会計基準その他レギュレーションをきちんと理解し、財務諸表・キャッシュフローを詳細に理解して、クライアントの買収に対する目的を理解し、そこに潜在するM&A上のリスクをクライアントに伝えることが自分たちのヴァリューだと思う。そういうつもりでクライアントと接してきたし、そうしないといつでも競合他社にとらてしまうと危機感をもってやってきたつもりであった。
ある大手日本企業の方からのフィードバックを最近頂いた。曰く、「○○○○(うちの事務所)のサービスには大変満足しており、○○さん(僕のこと)のガッツあふれる、常に弊社(クライアントのこと)の立場に立って考えてくれるサービスは非常に評価している」とのこと。
こういうことをクライアントから直接言われるのはものすごくうれしいことであり、これからもがんばっていこうという気持ちになるし、自分のことが評価されているのはうれしい。でも「詳細な分析」と「きめ細かいサービス」を売りとしてやってきたつもりだったのだけど、「ガッツ」が評価されたのは、自分のcore competenceを自分自身わかっていなかったということか。やっぱり、体力・情熱で勝負するタイプという本来の自分の得意分野に戻るべきなのと思う(笑)。
ワールドシリーズがフィリーズの28年ぶりの優勝で幕を閉じた。結果として最終戦となった第5戦は、月曜日10/27の試合が6回途中で雨で取りやめとなり、二日後にその続きをやるという前代未聞も3日越しの試合だった。レギュラーシーズン中は5回を終われば試合成立となるためこういうことはおきないが、ワールドシリーズは雨でも必ず9回まで終わらせるという決まりがあるらしい。試合中止(または延期)の決定は、レギュラーシーズン中は開催チームがするらしいが、ワールドシリーズではコミッショナーにその決定権限があるらしい。
10/27は、だんだん雨が強くなる中、一点リードで五回が終わり、もしここで試合が雨で終わったらフィリーズの優勝になるのかという期待感がありながらも6回にすすんだ。しかし大雨のなか試合中断を望む地元フィリーズファンの声援は悲鳴にかわった。6回の表にエラーがらみでレイズが追いつく。このエラーも雨のためだったともいえる。そしてその裏遂に試合中断。フィリーズに不利な状態で無理に雨のなか試合が進められ、同点に追いつかれたとみられても仕方がなく、フィリーズにしてみれは面白くない。
しかし、試合が中断になったあとの夜中に記者会見があり、コミッショナーのバド・セリグはいろいろ疑問を投げかけるレポーターたちにはっきりと言った。
“Under no circumstances would the Phillies have won the game — and the Series — before the completion of nine innings. I would not have allowed a World Series to end this way"
(9回まで試合を行わずに勝敗が決まることはない。たとえ同点になる前に途中でやめたとしてもフィリーズが勝つことはなかった。そんな形で私はワールドシリーズを終わらせることはしない!)
さらには
“We’ll stay here until we have to celebrate Thanksgiving"
(天候がよくなり、試合の決着が付くまでは、フィラデルフィアにずっといることになる。例えそれがこのままサンクスギビング(11月末の感謝祭連休)をここで迎えることになったしても)。
かっこよかった。何年か前にストライキが起きたときに、コミッショナーにはプロ野球を仕切る権限はない、なんて弱腰になってなにもしなかったどこかの国のコミッショナー氏とはまったく違うね。
そして二日もまってようやく続きが始まった。6回途中から始まる試合はかつて誰も経験したことがない。試合が6回で中断になるというのはワールドシリーズ史上初であり、またレギュラーシーズンでは5回を終わった時点で試合が終了してしまうので、こういうことにならないというのは前述のとおり。やる方も見る方も未体験というこのシチュエーションが試合をものすごく面白いものにした。
1. 3.5イニングしか続かない可能性が高く、そのあとにはフィリーズ優勝の瞬間がまっているかもしれないので、なんとなくすこしの瞬間も見逃してはならないというような意気込みが勝手に入ってしまった。
2. 試合はフィリーズの9番バッターからの打席から始まった。それは好投していた先発ピッチャーであったが代打が送られた。その代打の選手は、試合の一番打者として登場するのは初めての経験らしい。そして先制点につながる二塁打。
3. 最初から両チームが次々と点を入れた。岩村のエラーは痛かった。手に汗握る好プレーの連続。
4. 両チームともどんどん中継ぎ投手をつぎ込む。こんなこと普通は試合序盤ではないから面白い(実際は試合終盤のため)。中継ぎ投手もこんなに早くからなげることは無いため、当日は早めに準備したが、なれないため戸惑ったとのこと)。
最後はフィリーズがかち、優勝し、ファンも選手もこの瞬間を3日越し待ち望んだ喜び爆発。28年も待ったのだから3日くらいなんてこともないだろうきっと。
レイズはよくがんばった。前年最下位のチームがここまで来たのは快挙。若い選手が多いから波も激しく、特にワールドシリーズに入ってからは、ALCSで活躍した選手がぱったりうてなくなったりしたのも痛かった。今後の躍進に期待。
フィリーズの田口は結局出番はなかった。残念。4年間で3度目のワールドシリーズ出場という快挙はリーグ全体でも田口1人らしい。お疲れ様。来年はもっと活躍し欲しい。ある意味松井やイチローなんかよりも応援している。
先週くらいから急に涼しくなり、冬用のコートを羽織った人たちが増えてきた。今週末は、久々にゆっくりできたので、以前行ったこともある農場
Stone Barnsへ行ってきた。(以前の日記は
こちら)。
山の中にある牧場に、新鮮な素材を使った高級レストランと、自然食品を売りにしたカジュアルなカフェと、野菜の即売会場や、更には家畜を自由に見学できたりして動物園のようなテイストを入れた場所であり、自然志向のお母さんが元気な子供たちを週末にちょってつれてくるには最適の場所で、商売がうまいなと思う。マンハッタンから少し離れているので(一時間くらい)、そこま混んでるわけではなく、ちょっとこだわりをもっているような家族連れが多く見られた。
新鮮な野菜等を売り物にして、農場を客商売にしようという試みは日本でもアメリカで多くあるが、ここのように上品な雰囲気を作っているところは少ないと思う。
紅葉が始まっていて、きれいだった。娘は多少動物に反応はするが、冷めているのか、冷静を装っているのか、比較的無表情。季節がらか七面鳥がたくさんいた。
帰りには近くにある、古い鉄道を散歩道にしたというトレイルをしばらく歩く。紅葉のトンネルがものすごくきれい。
話は変わるが、実は先週末もずっとゆっくりできたのだが、久々に腰痛が発生してしまい全く身動きがとれず数日ベットで過ごしていた。今回の痛みはかつてないほどひどく、痛み止めの注射も打った。さすがに今度ばかりは本気で治そうとおもい、まじめに医者探しをしたが、薦められたところは保険適用外か、そうでなければ3週間待ちとかで不便(しかもいつもお年寄りで込んでいたりする)。
アメリカの医療保険の仕組みは日本とは違って国民健康保険というものがなく、自分で民間の医療保険にはいる(通常は雇用者つまり会社が用意してくれたプランの中から自分で選ぶ)。掛金が多いほど保険で受けられる医者や治療方法が増える。日本から来るとこの「保険を選ぶ」という行為に最初は戸惑いを感じる。毎月数万円の掛金が給料から引かれるのは、日本の健康保険と同じ感覚。
どの医者に電話しても、まず入っている保険の詳細(保険会社、契約番号等)を聞かれる。医者からしてみれば、ちゃんと保険に入っていて支払い能力のある患者しか受け付けたくないので大事なことである。今回のように腰の治療でいくと、まずはじめに行くPCPという何でも屋さんみたいな医者、次にレントゲンを取る医療機関、そしてその後紹介されていく腰治療の専門家、さらにはMRIと、いろいろ医療機関をたらい回しにされるが、いくといくとこすべてで保険の説明からなにから何度も同じことを電話口できかれ、さらには実際訪問した際には再び手書きで紙に書かせられられる。いろいろな誓約書も何枚も署名させられる。非常に煩雑なこのプロセスをなんとか効率化できないものなのだろうか。
保険外でしか患者を扱わないという医者も多い(つまりお金持ちの患者しか相手にしないということ)。腕が良いといわれる医者は保険外の人が多い。保険会社のネットワークにしばられることなく、煩雑は保険請求手続きもやることなく、自由な治療をするということだろうか。腕の良い医者は治療費も高い。
医療はただではなく、ましてパブリックサービス(公共サービス)でもない。医者は患者を選び、患者は医者を選ぶ。対価を払ってサービスを受けるというビジネス、プロフェッショナルサービスであるという当たり前のことを認識させられる。クオリティーの良いサービスには当然それなりの対価を支払わざるを得ない。3年前に鎖骨骨折の時には、保険外の医者を使ったて手術やりすべて順調にいった。もちろん高かったけど。懐の寒い今回はそういうは行かないと思う。
娘は最近ようやく歩くようになり、調子が良いと10歩とか5メートルとかふらふらしながらも進む。先週腰痛で自由にあるくこともできない時は、歩くスピードは娘に完全に負けていた。こんなことではいけないからちゃんと治そうと思う。